平成21年年賀状作成余話
ここ数年の年賀状は奈良の古寺巡礼や介護施設訪問など、その年に活動したことを記して元気にやっていることをお知らせしてきたが、ワンパターン化しているので少し変わった年賀状を作ろうと考えていた。
今年は源氏物語一千年紀で石山寺での「源氏夢回廊」や横浜美術館での「源氏物語特別展」や京都会館での「源氏物語シンポジュウム」など各地で色々な催し物が行われ、11月1日を「古典の日」にする宣言が行われた。源氏物語を題材とした年賀状となると来年の干支である牛車の絵、たとえば「関屋」などの絵となるが著作権のことを考えると問題だし、今年が源氏物語の一千年紀なのに来年の年賀状の題材としてはタイミングが悪いと思いあきらめた。
考古学では「万葉集」の木簡が滋賀県甲賀市の紫香楽宮(しがらきのみや:745年)跡から、京都府木津川市の馬場南遺跡、奈良県明日香村石神遺跡の3ケ所から出土した。
また、NHKハイビジョンでも今年の1月から「日めくり万葉集」をやっていて、毎朝6:55に見ていた。
今年「古典の日」の宣言もされたことだし、ひょっとすると来年は「万葉集」の時代になるかも知れない(注)と思い、「万葉集」に宛先の人への何らかの気持ちを表す和歌と自分の気持ちを表す和歌はないかと「日めくり万葉集」と「万葉集」を調べてみた。
「日めくり万葉集」の1月8日に歌人の俵万智さんが選び、12月18日に映画監督の篠田正浩さんが選んだ第20巻4516大友家持の「新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事」が目にとまった。学者でない自己流の大意を「新年を迎え、降っている雪のようにあなたさまにも良いことが重なりますように」と解釈し、年賀状としてまた宛先の人への幸多かれと祈る気持ちが表わせると思った。
一方、自分の気持ちを表す和歌として第1巻から第20巻までさっと目を通したが、第5巻の0815大弐紀卿(だいにきのまえつきみ)の「正月(むつき)立ち 春の来たらば かくしこそ 梅を招きつつ 楽しみ終(を)へめ」が目にとまった。自己流の大意を「正月が過ぎ春になったら梅を見ながら楽しみたいものだ」と解釈し、100年に一度の不況の時こそ心に余裕を持ちたいと言う気持ちを表すことが出来ると思った(不況の時に呑気なことを言っているとお叱りを受けるかもしれませんが、気持ちがぎすぎすしていると何の解決にもなりませんので)。
和歌は決まったが、絵を何にするか困った。梅の枝に雪が積もっている写真があればと思って、撮影した写真を調べたがなかった。雪景色の写真に「湯西川温泉」に行った時に撮った番傘の写真があった。番傘の色も赤色であり梅の代わりと強引に解釈しこれに決めた。内容が決まれば印刷するだけなので、12月23日に投函できた。
(注)NHK BS ハイビジョンで元旦の1月1日(木)17:00~20:00に「万葉集への招待」という放送がある。番組の概要によると「万葉集はこんなに面白いをキーワードに、数々の秀歌を堪能しつつ、単身赴任者の浮気やシュールな言葉遊びなど古代の意外な顔を再発見する」とのこと。普段、格式が高いと思い、触れる機会がない古典に触れる絶好の機会だと思われます。この際、日本人の心を表す万葉集に触れてみたらいかがでしょうか。
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