カテゴリー「文化・芸術」の記事

ルーヴル美術館展鑑賞

Photo平成27年3月23日(月)に 国立新美術館で開催されている「ルーヴル美術館展」を観に行った。

多くの美術館は月曜日が休館なので、火曜日が休館日の月曜日は空いているだろうと思って、前売り券を買わずに向かった。
8:00に家を出て9:00過ぎに乃木坂駅についた。
ところが美術館直通の扉が開くのは9:30だった。これが誤算の一つ目だった。
9:30過ぎに切符売り場に並んだが、すでに10人位が並んでいた。
ところが発売開始が開館と同じ10:00であった。これが第二の誤算だった。
その間に、前売り券を持っている人がどんどん入館し列を作っていた。切符を買って入館の列に並んだ時には100人位の行列になっていた。
入館後も大勢の人が入ってきて月曜日でも結構混んできた。第三番目の誤算だった。
今回の展示は風俗画が主体で古代のオストラコン(陶片)に書かれた絵から始まり、自画像、風景画、静物画、人々の日常生活の絵、アトリエの画家を描いた絵など約90点が展示されていた。
私の目当てはヨハネス・フエルメールの日本での初展示の「天文学者」だった[写真は平成24年5月に開催された「フエルメール光の王国」で展示された「リ・クリエイト」(描かれた当時の色彩と思われる色で作成した作品)作品の写真]。
本物は「リ・クリエイト」と比べると左からの光が弱く、陰の部分が暗くなっていた。
また、衣の色も暗い緑がかった青色だった。
年月による退色なのか、「リ・クリエイト」が色を出せなかったのか。
その他の作品では占い師と仲間のスリがグルになってスリを行っている絵や物乞いの絵、トランプ遊びの絵などが夫々複数枚展示されていた。
当時の世相を垣間見られ面白かった。
印象に残った絵はクエンテイン・マセイスの「両替商とその妻」、パルトロメ・エステバン・ムリーリョ「物乞いの少年(蚤をとる少年)」、ニコラ・レニエ「女占い師」、ジャン=バテイスト・グルーズ「割れた水瓶」、テイツイアーノ・ヴエチエッリオ「鏡の前の女」、フランソワーズ・ブーシェ「オダリスク」(「オスマン帝国後宮の女奴隷」を主題とする絵)であった。
「オダリスク」は女性がベットにうつ伏せになって白い豊かな腰を丸出しにした絵で官能を超えて目をそむけたいような絵であった。
それだけ印象に残った絵であった。

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妻沼「歓喜院聖天堂」見学

2月11日に平成24年(2012年)に建造物として国宝に指定された妻沼(メヌマ)にある「歓喜院聖天堂(カンギインショウデンドウ)」を見物に行った。

歓喜院は1197年に開創されたそうだ(江戸中期に44年かけて作られたとのこと)。

本殿は拝殿、中殿、奥殿が繋がってい。建造物や壁は全て彫刻で飾られ華麗な色をしている(日光東照宮でも彫刻は上部のみなのでここの彫刻は珍しい)。
鮮やかな色彩をしているのは、平成15年~平成23年に復興修理をして外壁を創建当社の色にしたからだ(総工費13億5千万円:国、県、市の補助が10億円、3億5千万円が信者の寄付)。
江戸中期の建造物で国宝に指定された要因の一つに、地元の人の話では、寄付で修理をしたことがあるのだろうと言っていた。
3h27211 1h27211_4一番左の写真は本殿拝殿正面で廟式権現造である。二番目の写真は軒下の彫刻で「琴棋書画(キンキショガ)」の様子を表している。
左から「画(絵を見る子供)」、「棋(囲碁を打つ人)」、「琴(琴を弾く男)」、「書(文字を読み書きする子供)」の四芸、すなわち当時の中国の教養、風流を表している。
1h27211_6 写真は拝殿の軒下を右から見たもので、曲がった横柱と装飾を1本の太い木から彫ったものだそうだ。
丸太を透かし彫りにするとは信じられない。
中殿、奥殿を見るには入場料700円。中には10:00から1時間おきにボランテイアが説明してくれる。



きらびやかな奥殿の彫刻について記述する。
H27211_5左の写真は本殿を南側から見た写真である。
左の屋根の部分が奥殿、真ん中の平らな屋根が中殿、右の屋根が拝殿で、
上空から見るとローマ字のHの形をしているそうだ。

中殿、拝殿にも素晴らしい彫刻があるが、奥殿が凄いので奥殿を中心にする。
2h27211_2 1h27211_7 先ずは奥殿の南側(春を表している方角)。
左の写真は軒下にある彫刻。
右の写真は一部を拡大した写真で儒教、仏教、道教の聖人3人が甕を囲んで談笑しているの?「三聖吸酸」の図。
三教の真理は一致していることを示しているのだそうだ。
1h27211_81h27211_91h27211_10




左の写真は「鳳凰」の彫刻で北面の「鳳凰」と一対をなす。
中央の写真は「大羽目の彫刻」(大きな板に彫った彫刻)で布袋?などと鶴が彫刻されている。
右の写真は「中羽目の彫刻」で鳥と滝?が彫られている。
1h27211_11 左の写真は土台に近いところにある「子供たち」の彫刻。
奥殿の彫刻には怪獣と子供が多いとのこと。
なお、同じ動物でもどこか違えて彫ってあるとのこと。

奥殿の西側(夏を示す方角)の彫刻。
1h27211_12 1h27211_13左の写真は南面の軒下と同じ位置にある「甕」で「子どもが川に流され大人が助ける」という故事を表しているとか。
右の写真は「大羽目の彫刻」で左から「雪遊び」、「囲碁」、「踊り?」をしている彫刻。

奥殿の北面(冬を示す方角)の彫刻。
1h27211_141h27211_15 1h27211_18 左の写真は南と北の面と同じ位置にある「甕」。
良い事をしたので酒が溢れている様子だとか。

中央の写真は南面と一対の「鳳凰」。
右の写真は「大羽目の彫刻」。左が囲碁をする人と赤鬼?、右が天女?の彫刻。
H27211_6 妻沼聖天堂の境内には「斉藤別当実盛公」の像がある。
公は本尊の「聖天さま」を1179年にお祀りした。
「聖天さま」は錫杖の中央に祀られているので「御正体錫杖頭(ミショウタイシャクジョウトウ)」と呼ばれているそうだ。重要文化財に登録されているが秘仏なので公開していないとのこと。
2h27211_3二枚の写真は1h27211_198脚門の「貴惣門」。
左が正面から見た門。多くの見学者は正面からしか見ない。
右の様に横から見ると門とは思えない形をしている。
三つの破風を重ねた珍しい建築構造で他に大阪の四天王寺、富山の瑞龍寺にあるとのこと。



1h27211_201h27211_21左の写真は「四脚門」。
火災などにあわず創建当社から残っている唯一の建造物。
右の写真は「仁王門」で左右に阿吽の像がある。

H27211_7 写真が名物の「聖天寿し」。
大きな「いなり寿司」が特徴で長さ約14cm、直径約3cmある。
1人前460円。仁王門の手前左の店で売っているが直ぐに売り切れになるとのこと。我々も朝一番に店に入ったが、すでに5組の人が居て、3~6人前を買って行った。
2h27211_4写真は「多宝塔」で戦後に戦没者慰霊のために建てたとのこと。

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「三角縁神獣鏡と3~4世紀の東松山」展

H27211 2月11日に東松山埋蔵文化財センターで開催されていた「三角縁神獣鏡と3~4世紀の東松山」展に行った。

最終日であったが9:00の開館と同時に展示室に入ったので、来場者が5人位だったので、ゆっくり見られた。

1h27211 目玉は昭和23年に埼玉県で初めて高坂古墳群(「群」としているのは古墳の中ではなく周辺ということらしい)発見された「三角縁神獣鏡」であった。
「三角縁神獣鏡」は「魏志倭人伝」で魏の皇帝が卑弥呼に百枚を下賜したという鏡で、全国で約550枚出土されているとのこと。
九州と畿内での出土が多く、卑弥呼の九州説と畿内説の争いの根拠の一つとなっている。数が合わないのは下賜された以外に日本製もあるかららしい。
「三角縁神獣鏡」は大和政権との何らかのつながりがあると言われているので、埼玉県もやっと大和政権と関係があったと考えられることになったので画期的発見だ。
今回展示された鏡は直径22cm、重さ1,052gで鏡の裏の上下に「西王母」2つ、「東王父」、「鏡子期」の4つの神様と「龍」と「虎」の二獣が彫ってある。また陳氏が製作したと言う文字も刻まれている。それでこの鏡は「三角縁陳氏作四神二獣」と名づけられた。
1h27211_2 成分分析で銅74%、錫21%、鉛5%であることが解った。
左の写真が上記成分で作った複製品である。
出土の鏡もこの様に銀色に輝いていたのだろう。


出土された鏡は割れていたものを繋ぎ合わせたものなので、古墳から出土したのではないが、死者(豪族など)を弔うために使用されたのだろう。
2h27211 写真は反町遺跡付近の川の中から発見された「臼」である。
「臼」は県内初、関東地方で2例目とのこと。
欅の切り株をひっくり返して作ったもので、古墳時代前期のものらしい。
遺跡発掘に関わっていて、この「臼」を発見した人に偶然あった。
発見した時は流木だと思ったそうだ。
東松山の色々な遺跡や古墳の3~4世紀の出土品が展示されていた。
81h272111h27211_381h27211_2
H27211_3
H27211_4 81h27211_3








写真は順番に高坂古墳の「捩文鏡」、反町遺跡の「内行花文鏡」、高坂8号墳の「土師器・壺」、大西遺跡の「壺」、反町三番町遺跡の「大廓式土器」(地元でない外来系土器で静岡県から来たらしい)、高坂8号墳の「勾玉・管玉」である。
小規模な展示会であったが、大変ためになる催しであった。

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みちのくの仏像展

H2723 平成27年2月3日に東京国立博物館で開催されている「みちのくの仏像」展に行ってきた。

前々から東北地方の寺院の仏像を拝観に行きたいと思っていたので一堂に展示されている今回は見逃すわけにはいかないと勇んで(?)出かけた。
以外に空いていたので約1時間、じっくりと鑑賞することが出来た。
14寺院から26体(国宝1体、重文12体)が展示されていた。寺院で拝観する時は堂内が暗く、遠くから拝観するので良く見えないが、今回は室内が明るくスポットライトで照らされ、近くまで行けたので衣文などの彫刻も良く見ることが出来た。
東北の仏像は口が小さく、ややひねっている仏像が多い印象を持った。厳しい自然に立ち向かっている雰囲気が表現されているように思った。
今回の私にとっての目玉は東北の三つの薬師如来だった。
1.福島県の勝常寺の薬師三尊像(国宝、平安時代9世紀)
  本尊の薬師如来坐像は欅の一本作りであるが木製のようには見えない。像は胸板が 
  厚くがっしりしている。顔はおだやかな顔をしている。右脇侍の日光菩薩立像、左脇侍
  の月光菩薩立像は奈良の薬師寺の像ほどではないが腰を外にひねっていた。
2.岩手県の黒石寺の薬師如来坐像(重文、貞観4年⦅862年⦆の墨書銘)、日光、月光菩
  薩立像(平安時代12世紀)。
  薬師如来坐像は厳しい顔つきをしていた。日光菩薩は男らしい顔つき、月光菩薩はや
  さしい女性的な顔つきをしていた。
  両仏像ともに黒光りしていて金属製のように見えた。
3.宮城県の双林寺の薬師如来坐像(重文、平安時代9世紀)
  欅の一本作りで木製であることが解る。勝常寺の像も欅で木の面がつやつやして
  滑らかの様に見えたが、こちらの像の木の面はざらざらとしている様に見えた
  (時間の経過のためなのか、それとも保存環境のためなのかな)。顔は瞑想をしている
  雰囲気が良く出ていた。
三つの薬師如来はそれぞれに特徴があるが、仏教に疎い私が強いて一番気にいった
像をあげるとすると勝常寺の薬師如来坐像だ(仏像を好き嫌いと判断するのは不謹慎であると思います。美術品の視点での判断とお許しください)。
どっしりとして優しく受け入れてくれる雰囲気を醸し出しているように感じたからだ。
以下にその他記憶に残った仏像を記録する。
4.岩手県の天台寺の聖観音菩薩立像(重文、平安時代11世紀)
  鉈彫像で衣文などが細かい横縞で彫られているのが印象的。
5.秋田県小沼神社の聖観音菩薩立像(平安時代10世紀)
  スリムで長身で腰がくびれている。現在のモデルの体型。
6.岩手県の成島毘沙門天堂の伝吉祥天立像(重文、平安時代12世紀)
  おだやかな顔立ち。見る人にほっとする気分を味わせてくれる。
7.山形県の本山慈恩寺の十二神将(丑神:チュウシン、寅神:インシン、卯神:ボウシン、
  酉神:ユウシンの4仏像)(重文、鎌倉時代13世紀)
  慈恩寺には過去2回拝観している。当時、拝観者は私だけだったので、職員の方に
  説明をしていただきながら12神将を鑑賞したことを思い出した。
  どの仏像も強靭な肉体と頑丈な甲冑が繊細に彫られていることに毎回感心している。
8.宮城県の給分浜観音堂の十一面観音菩薩立像(重文、鎌倉時代14世紀)
  3m位もある大きさに圧倒される。顔が大きく、大きな目、ひざ下が短い。下から拝む
  ことを意識して製作されたのではないか。
  頭上に七輪塔のようなものがあるが、今まで観て来た十一面観音像にはなかったので
  新しい発見をしたような気分になった。
都から遠く離れた地での地元に密着した仏像群を鑑賞出来た気がした。

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蜷川幸雄「ハムレット」

1h27124 1月24日(土)午後、さいたま芸術劇場で蜷川幸雄演出の「ハムレット」を観た。

同劇場のプロムナードに展示されている蜷川幸雄が演出した過去の「ハムレット」の説明によると1978年に平幹二郎、1988年に渡辺謙、1995年に真田宏之、2001年に市村正親、2003年に藤原竜也、2004年にマイケル・マロニー(英国公演)、2012年に川口覚がタイトルロールを務めている。
今回は藤原竜也がハムレット、満島ひかりがオフイーリア、横田栄司がホレイシオ、鳳蘭がガートルード、平幹二郎がクローデイアスなどのキャストだった。
2012年の「ハムレット」はネクストシアターの若手俳優陣によるもので、川口覚もその一員だった。
この時の舞台装置が奇抜で一階と地下の仕切りが透明な板で仕切られていて、貴族は一階、それ以外は地下で演技を行うようにして階級社会を強調しているように思えた。
今回の演出は海外公演を意識したのかわからないが、日本調が強調されていたように思う。
セットは明治時代末期の貧しい長屋、庭には手で水を汲むポンプ式の井戸、僧侶の声明、歌舞伎調の拍子木、ツツミ、三味線などの音、雛壇への役者の配置、少しではあるがセリフに日本のことわざを挿入などがあったからだ。
印象に残った場面は義父のクローデイアスが罪の意識に自問自答する場面、ハムレットが実母のガートルードに不道徳をなじる場面であった。
どちらも迫力のある場面であった。
演技面では各キャストとも持ち味を表現していたが、特に平幹二郎の声の質を変えた声色、声量、セリフの明瞭性など舞台俳優の必要条件を満たしている演技に感銘した。

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蜷川幸雄「トロイアの女たち」観劇

H241216平成24年12月16日(日)13:00から池袋の東京芸術劇場プレイハウスで行われたエウリピデス作、蜷川幸雄演出の「トロイアの女」を観た。
新装なった東京芸術劇場の大ホールは音楽会で行ったので場所は解っていたが、プレイハウスは初めてだったので、地下の小ホールかと思い地下に行ったがなかった。
受付に聞いたら2階とのことで、以前にはなかった場所に出来ていた。
今回は国際プロジェクトとして出演者が日本人、ユダヤ系イスラエル人、アラブ系イスラエル人とで構成されていた。
両イスラエル人の俳優については良くわからないので省略する。
ギリシャに負けたトロイア王妃ヘカベ役に白石加代子、ギリシャのスパルタ王妃役に和央ようか、コロス(合唱舞踊団)の日本ユニットに市川夏江、山本道子、羽子田洋子、花柳妙千鶴、土井睦月子(?)が出演していた。
5人単位の3つのコロスは同じ意味のセリフを日本語、ヘブライ語、アラビア語の3ケ国語でしゃべり、日本語の翻訳が字幕に出された。
面白かったのは各国語のリズムが違い、そのためかしゃべっている時の仕草が異なっていることだった。
それと各ユニットの中せの各人の動きも違っていた。
日本ユニットの場合には皆が一体となって行動するが、ユダヤユニットの場合には各人各様の行動をとっているが繋がりは保てている感じ、アラブユニットの場合には各人各様でしかも各人勝手の行動を取っているように思えた。
言葉の違いが行動をも違えるということを感じ取ったが先入観のためなのか、役者個々人の演技力の違いだったのか。
現実の世界情勢を考えると言葉の違いが行動にいかに大きく影響しているかと感じている。
蜷川演劇に幾度となく出演している白石加代子の熱演が際立っていた。
発声(いくつもの声色)、発音(聞きとり易い)、演技とも素晴らしかった。
流石、ベテラン舞台女優だと感心した。
和央ようかはNHKの「日めくり万葉集」に出ていた時にコメントが素晴らしかったので、名前を憶えていたが演技を見たのは初めてだった。
可愛く色気のある演技をしていたが、やや発声と発音が弱かったような気がした。
カーテンコールでが白石加代子に対し観客がスタンデイングオーベーションをした。
また和央ようかのドレスの袖を首に巻いておどけた姿で退場する様子などお茶目な一面を見せていたのが印象に残った。

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「日の浦姫物語」観劇

2 平成24年11月18日(日)13:30~16:30頃にシアターコクーンで井上ひさし作、蜷川幸雄演出、大竹しのぶ、藤原竜也、木場勝己、立石凉子、たかお 鷹、辻 萬長、ほか出演の「日の浦姫物語」を観た。
出演者は蜷川演出の作品には何回も出ている芸達者揃いなので、楽しく観ることが出来た。
説教聖(木場勝己)とその妹(立石凉子)が近親相姦で生まれた子を抱え、懺悔の気持ちから「日の浦姫」の物語を語ることで劇が進行する。
その「日の浦姫」の物語は平安時代(藤原道長の死後とのことなので1030年頃)の米田庄(今の福島県いわき付近)での兄の稲若(藤原竜也)と妹の日の浦姫(大竹しのぶ)の近親相姦により男の子(魚名)が生まれる出来事が発端。
稲若は追放されるが旅の途中で死亡し、日の浦姫は叔父の宗親(たかお 鷹)の監視下におかれる。
魚名は船で川に流されるが、小島に漂流し寺で育てられ18歳の若者に成長。
その頃、「日の浦姫」は近隣の豪族から結婚と土地の譲渡しを迫われている。
この危機を魚名(藤原竜也)が助け、お互いに親子であることを知らずに結婚する。
その後、お互いが親子であることを知って悲劇が始まる(ネタばらしになるので以下の物語は省略)。
すなわち「兄と妹」と「母と子」の二つの近親相姦が軸の重い物語だが、そこは言葉の天才井上ひさしだけあって、ウイットのあるセリフで厭らしさを感じさせず、笑いをもたらした。
近親相姦という重荷に苦しみ懺悔する芝居を観客に見せ、観客の日常のささいな罪に関して安堵をしてもらうというのが狙いらしい。
ドストエフスキーの「罪と罰」ならぬ井上ひさしの「罪と懺悔」の物語だと思った。

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江東オペラハイライトシリーズVol.10

Photo 平成24年11月10日(土)17:00~20:00頃、瑞江駅の東部フレンドホールで行われた江東オペラハイライトシリーズVol.10で歌劇「マノン」と歌劇「リゴレット」を観た。
歌劇「マノン」はジュール・マスネ作曲の作品で、今年の5月7日にMETライブビューイングでアンナ・ネトレプコの「マノン」(http://macsan.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/ny-f0b1.html参照)を見ているので2回目であった。
オペラには劇場で見るオーケストラ、舞台装置、衣装でのいわゆる「本番」、それを映像に撮って映画館などで上映する「ライブビューイング」、オーケストラのみの「演奏会形式」があることは知っていたが「ハイライトシリーズ」は初めてなので、どんな演出かと興味を持って参加した。
今回の「ハイライトシリーズ」は物語の主要な部分を中心に構成され、伴奏はピアノのみ、衣装は本番用というものであった。
歌詞は原語でスクリーンに翻訳が出た。
会話の部分は日本語であったのでちょっと違和感はあったが理解しやすいので良かった(歌手のみなさんは日本語で演じることはないのでセリフに苦労したのではないか)
歌手のみなさんは熱唱した。
特に「マノン」のソプラノの山口佳子さんの高音、「リゴレット」のバリトンの山口邦明さんの張りのある声、その娘「ジルダ」のソプラノの中江早希さんの澄んだ声が印象に残った。
歌唱では「マノン」の第二幕の「さよなら わたしの小さなテーブル」と第五幕の二重唱「泣いているの?」、「ええ、わたしの恥ずべき行いゆえに」、「リゴレット」の第三幕の有名な「女は気まぐれ」、二重唱「父さまを騙したの!」が良かった。

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ソフイア国立歌劇「トスカ」観劇

平成24年11月3日(土)15:00~17:30(休憩25分含む)、川口リリアでソフイア国立歌劇場(Sofia National Opera)のプッチーニ(Puccini)作曲「トスカ(TOSCA)」を観た。
ソフイア国立歌劇場管弦楽団と合唱団(Sofia National Opera Orchestra and Chorus)、指揮(Conductor) アレッサンドロ・サンジョルジ(Alessandro Sangiorgi)、演出(Director) プラーメン・カルターロフ(Plamen Kartaloff)、トスカ(TOSCA)役は佐藤しのぶ(Shinobu Sato)、マリオ・カヴアラドッジ(Mario Cavaradossi)役はマルテイン・イリエフ(Martin Iliev)、スカルピア男爵(Baron Scarpia)役はビゼル・ゲオルギエフ(B
iser Georgiev)などであった。
佐藤しのぶ(Shinobu Sato)のオペラを観るのは初めてだった。
10月24日の日経夕刊の文化欄でのインタビュー記事で佐藤しのぶは「オペラの歌唱法は日本人向きではないので、常に自己ベストを尽くさないといけない。命を削る覚悟で努力している」と言っていたが、澄んだ声質の歌唱と演技力で好演した。
確かに声の太さという点では外国人女性のソプラノには敵わないが、身体全体でそれをカバーする表現が出来ていたように思う。
杉並児童合唱団や黙役の男性を除けば、メインキャストの中で唯一の日本人で、しかもタイトルロールの主役だったので、カーテンコールでの拍手が凄かった。
カヴアラドッジ(Cavaradossi)役のマルテイン・イリエフ(Martin Iliev)のテノール、スカルピア男爵(Baron Scarpia)役のビゼル・ゲオルギエフ(Biser Georgiev)のバスも良かった。
トスカ」は昨年、メトロポリタンオペラ(MET OPERA)のライブビューイング(http://macsan.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/ny-a28b.html参照)を2回観ているが、第2幕でのトスカが歌うアリア「歌に生き、愛に生き」と合唱団による教会の場面での「テ・デウム(Te Deum)」(カトリック教の聖歌)、第3幕でカヴアラドッジ(Cavaradossi)が歌うアリア「星は光りぬ」は何回聴いても良い歌だ。
舞台装置は中央に大きな十字架を設置し、縦の柱の中心を軸に前後に回転させて第一幕の教会の場、第二幕のスカルピアの部屋、第三幕のトスカが屋上から投身する場を作っていた。
最終場面で赤いスカーフが上からひらひらと落ちてくることでトスカが投身したことを現わしていた。
舞台装置はMETに比べシンプルであるが場面のイメージを作っていた。

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ウイーン国立歌劇「アンナ・ボレーナ」

平成24年10月31日(水)18:30~22:00(休憩25分含む)に東京文化会館でウイーン国立歌劇(WIENER STAATSOPER)のドニゼッテイ(Donizetti)作曲「アンア・ボレーナ(ANNA BOLENA )」を観た。
このタイトルのオペラは昨年11月7日にメトロポリタンオペラ(MET opera)のアンナ・ネトレプコ(Anna Netrebko)主役のLIVE VIEWING(http://macsan.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/ny-571b.html参照)を観ているので2回目だ。
ただし、ライブビューイングより迫力のある劇場公演を楽しみにしていた。
演奏 ウイーン国立歌劇場管弦楽団(Orchester der Wiener Staatsoper)、指揮 エヴエリーノ・ピド(E.Pido)、演出 エリック・ジェノヴエーゼ(E.Genovese)などのスタッフだった。
キャストはエンリーコ8世にルカ・ピサローニ(L.Pisaroni)、アンナ・ボレーナにエデイタ・グルベローヴア(E.Gruberova)ジョヴアンナ・シーモアにソニア・ガナッシ(S.Ganassi)、リッカルド・パーシー卿にシャルヴア・ムケリア(S.Mukeria)、ロシュフオール卿にダン・ポール・ドウミトレスク(D.P.Dumitrescu)、スメトンにエリザベス・クールマン(E.Kulman)などであった。
主役のグルベローヴア(E.Gruberova)の澄んだ美声と高音域のソプラノ、声を転がしながら歌う技術(アジリタと言うらしい)が凄かった。
特にフイナ-レの「狂乱の場」での長いアリアには聴き入ってしまった。
ベルカント・ソプラノの現在の第一人者と言われることが頷けた。
カーテンコールでの拍手が一段と大きかった。
シャルヴア・ムケリアの甘いテノール、エリザベス・クールマンの青年役でのメゾ・ソプラノも印象に残った。

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